【愛知県】犬山市「明治村」
明治村
(愛知県犬山市明治村)

一丁目エリア👉その1 その2
二丁目エリア👉その3
三丁目エリア👉その4 
四丁目エリア👉その5 その6
五丁目エリア👉その6 今回


ここまでダラダラ長く綴ってきた明治村もいよいよクライマックス。
今回は最終回です。
この「五丁目」エリアも建物が多いですが、ここでは代表的なのを取り上げていきましょう。



金沢監獄正門
金沢監獄正門 posted by (C)佐々張ケン太

前回の聖ザビエル天主堂を出てすぐに赤煉瓦の金沢監獄正門(明治40年)が控える。
煉瓦造りに石の帯状装飾は当時の洋風建築の流行りで、最初に登場した明治村正門(旧第八高等学校正門)との対比も面白い。
左右に二階建ての監視塔、窓も小さく鉄格子入りと監獄らしく閉鎖的でいかめしいものの、美しい門と言える。



金沢監獄中央看守所・監房
金沢監獄中央看守所・監房 posted by (C)佐々張ケン太

金沢監獄関係の建物がもう一軒、こちらの中央看守所・監房。




金沢監獄中央看守所・監房
金沢監獄中央看守所・監房 posted by (C)佐々張ケン太

全体模型を見ると、広大な敷地の北半分が管理のための建物群で、舎房は南半分に置かれている。
八角形の中央看守所を中心に5つの舎房が放射状に配され、それぞれ第一、第二......第五舎房とつけられていた。





監獄中央看守所・監房
監獄中央看守所・監房 posted by (C)佐々張ケン太

中央看守所の真ん中には八角形全周ガラス建具仕立ての看視室が置かれ、ここから各監房の廊下を一目で見渡せるようにしてある。
もっとも、この看視室は金沢監獄のものでなく、網走監獄のものだが(苦笑)



金沢監獄中央看守所・監房
金沢監獄中央看守所・監房 posted by (C)佐々張ケン太
金沢監獄中央看守所・監房
金沢監獄中央看守所・監房 posted by (C)佐々張ケン太

舎房の広い廊下の左右には独居房の重い扉が整然と並び、扉の上には換気用の小窓が開けられ、衛生面に留意されていることが分かる。

さて、他にもいろいろ触れたいところだが、ここでいよいよ真打に登場していただこう......




帝国ホテル中央玄関
帝国ホテル中央玄関 posted by (C)佐々張ケン太

そう、20世紀建築界の巨匠フランク=ロイド=ライトの代表作で、関東大震災と同日の大正12(1923)年9月1日に開業した、帝国ホテルの中央玄関。
皇居を正面にして建てられ、総面積34,000㎡余の大建築で、中心軸上に玄関、大食堂、劇場など公共部分が列ねられ、左右に客室棟が配されていたという。
昭和42年の新館建て替えまで国内外の政治家、著名人などに利用された。




帝国ホテル中央玄関
帝国ホテル中央玄関 posted by (C)佐々張ケン太

軒や手すりの白い大谷石の帯が水平線を強調し、その帯が奥へ階段にも重なって内部空間の複雑さを予感させる。
大谷石には幾何学的模様の彫刻を施し、煉瓦には櫛目を入れて、柔らかで華麗な外観を表している。




帝国ホテル中央玄関
帝国ホテル中央玄関 posted by (C)佐々張ケン太

中に入ると、メインロビー中央は3階まで吹き抜け。
建物内外は彫刻された大谷石、透かしテラコッタによって装飾されている。
とりわけ、テラコッタと大谷石で構成された「光の籠柱」と呼ばれる照明も兼ねた彫刻柱は圧巻。
この大空間の中を光が上下左右に錯綜し、周囲の彫刻に微妙な陰影を与え、ロビーの雰囲気を盛り上げてくれる。




帝国ホテル中央玄関
帝国ホテル中央玄関 posted by (C)佐々張ケン太>

中央玄関内のすべての空間はこの吹き抜けの廻りに展開し、その個々の空間は床の高さ、天井の高さがそれぞれ異なっており、大階段や左右の廻り階段を上ることに劇的な世界が開かれる。



帝国ホテル中央玄関
帝国ホテル中央玄関 posted by (C)佐々張ケン太

フランク=ロイド=ライトが日本に遺した建築作品は4件だけだが、スケール面では最大と言える。
何しろ、彼の設計のおかげで大幅な予算オーバーに工期の遅れ、これで経営側と衝突してライトは離日せざるを得なくなるぐらいだったから。
のちに弟子の遠藤新が引き継いで、着工から5年を費やしてようやく完成。
その完成式の最中にあの大震災に遭うのだが、このホテルは僅かな損傷のみでほとんど無傷だったという。
耐震や防火をも見越したフランク=ロイド=ライトが残した最大級の芸術品、恐れ入ります。


全部を回るだけでも1日がかり、スケールの大きさには息をのむが、それにしてもよくぞ残したという建物ばかり。
建築好きなら一度は訪れていただきたい、そんな「明治村」でした。