【茨城県】桜川市「真壁」
真壁
(茨城県桜川市真壁)

(その1)の続きで、再び重伝建地区に戻って今度は商店街になっている通りを歩いてみましょう。




真壁 仲町
真壁 仲町 posted by (C)佐々張ケン太
真壁 仲町通り
真壁 仲町通り posted by (C)佐々張ケン太

再び重伝建エリアに入り、仲町通りに入る。
この仲町通りが真壁の目抜き通りで、商店街の形になっている。
出桁造りの伝統的な商家と近代的な商店が混在しているという感じだ。
こういう立地なので、都会にありがちなチェーン店はなく、個人商店ばかりが並ぶ。



真壁 仲町「出川家」
真壁 仲町「出川家」 posted by (C)佐々張ケン太

仲町通りで代表的なのが、昭和12年築の「出川家住宅」。
真壁の町屋には珍しく、下屋庇ではなく出桁造りの小庇を設けている。



真壁 御陣屋前通り「川島書店」
真壁 御陣屋前通り「川島書店」 posted by (C)佐々張ケン太

仲町通から御陣屋前通りに折れる。
その名のごとく陣屋が置かれていた通りで、重伝建地区の中央を南北に貫いている。



真壁 御陣屋前通り「川島書店」
真壁 御陣屋前通り「川島書店」 posted by (C)佐々張ケン太

江戸末期の店蔵を利用した書店の中はレトロな佇まいを感じさせる。
扁額が架かっているが、「川嶋薬舗」と書かれており元々は薬屋さんだったようだ。
これを書いたのがあの山岡鉄舟だ。



真壁 御陣屋前通り「川嶋書店」
真壁 御陣屋前通り「川嶋書店」 posted by (C)佐々張ケン太

そして、御多分に漏れずここにも雛人形🎎
この時期の真壁は、さながら雛人形の博物館のようだ。




真壁 御陣屋前通り
真壁 御陣屋前通り posted by (C)佐々張ケン太

川嶋書店の向かいには2軒の平入り商家が並ぶ。
いずれも店舗風で、間口を広く開放している。



真壁 御陣屋前通り
真壁 御陣屋前通り posted by (C)佐々張ケン太

こちらは2階に雛人形がずらりと並ぶ。
こういう見せ方もアリなのだ。



真壁 御陣屋前通り「真壁郵便局」
真壁 御陣屋前通り「真壁郵便局」 posted by (C)佐々張ケン太

ようやく真壁のランドマーク的スポットに出会う。
高上町通りと交差する角はちょうど旧市街の中心に当たる場所、そこに真壁で唯一の洋風建築が残る。
昭和2年築の旧真壁郵便局だ。
外観から分かるように元々は銀行として建てられたもので、郵便局としては昭和31年から30年ほど使われていた。




真壁御陣屋前通り「真壁郵便局」
真壁御陣屋前通り「真壁郵便局」 posted by (C)佐々張ケン太

現在はインフォメーションセンターとして使われていて、中も自由に見学できる。
カウンターはスクラッチタイル張り。




真壁御陣屋前通り「真壁郵便局」
真壁御陣屋前通り「真壁郵便局」 posted by (C)佐々張ケン太
真壁御陣屋前通り「真壁郵便局」
真壁御陣屋前通り「真壁郵便局」 posted by (C)佐々張ケン太

客側と局員側は硝子の仕切りで隔てられている。
今ではこうしたカウンターは少なくなっている気がする。
硝子に手書き風に「為替」とか「電信」「恩給」という文字が書かれているを見ると、時代を感じてしまう。



真壁 御陣屋前通り「入江家住宅」
真壁 御陣屋前通り「入江家住宅」 posted by (C)佐々張ケン太

真壁郵便局の南側にある「入江家住宅」は、それまでの商家と比べて2階の軒が高い。
軒が沿っているせいか、2階の出桁がパワフルだ。
1階の屋根はむくり(起り)になっていて、真壁では珍しい。



真壁 御陣屋前通り
真壁 御陣屋前通り posted by (C)佐々張ケン太
真壁 御陣屋前通り
真壁 御陣屋前通り posted by (C)佐々張ケン太

伝統的な商家に近代建築......真壁の重伝建地区で特にバラエティに富んでいるのがこの御陣屋前通りではないか。


真壁 高上町「三輪家住宅」
真壁 高上町「三輪家住宅」 posted by (C)佐々張ケン太

重伝建エリアの真ん中を東西に貫いているのが高上町通り。
恐らくは家紋なんだろうか、戸袋の模様が目立つ「三輪家住宅」。



真壁 高上町「星野家住宅」
真壁 高上町「星野家住宅」 posted by (C)佐々張ケン太

そのはす向かいの「星野家住宅」は「モロカワヤ」と書かれたショーウィンドウが目印。
「諸川屋」という屋号の乾物商だったという。



真壁伝承館
真壁伝承館 posted by (C)佐々張ケン太

重伝建を一通り回ったところで、最後にぜひ立ち寄りたいのが「真壁伝承館」。



真壁伝承館
真壁伝承館 posted by (C)佐々張ケン太

ここでは、真壁地区の歴史を史料などの展示で紹介している。



真壁伝承館
真壁伝承館 posted by (C)佐々張ケン太

真壁にはかつて筑波鉄道も通っていたが昭和62年に廃止、バス路線も一時期なくなって陸の孤島のような感じだった。
それで却って余計な開発の手が入りにくく、古い街並みを残し重伝建地区に指定されるまでになった。
現在はバス路線が復活して幾分は行きやすくはなっているが、メジャーな観光地とは違って人混みもなく、比較的歩きやすい街並みだ。
3月3日までのひなまつり期間はつくばからも臨時バスも出るので、ある程度は賑わうだろうが。