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(奈良県斑鳩町「法隆寺西里」)

もはや説明不要、聖徳太子によって建立されたといわれる世界遺産「法隆寺」。
観光目的のおのぼりさんたちは境内を廻って終わり......でしょうが、当ブログはそんなことはありません(笑)



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法隆寺があるのは、奈良市の南西10㎞程にある斑鳩町。
聖徳太子が政治を執ったとされる飛鳥(明日香)京は、斑鳩から南西に17㎞程離れています。
そんな場所になぜ法隆寺を建立したのかというと、摂津湊から大和川が流れていて、水上交通の要衝だったからと思われます。
実際に遣隋使の派遣から隋との交流が始まりますが、摂津湊から水路・大和川を上って斑鳩に到達し、まず目にするのが法隆寺の立派な伽藍でした。
聖徳太子は諸外国に対し、こういう立派な寺院があることをアピールしたかったのでしょう。
そんな法隆寺ですが、実は『日本書紀』によれば天智天皇9年(670)に一度焼失し、現存しているのはその後に再建されたものとされています。
何れにしても、日本最古の木造建築物には変わらないんですけどね。



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(法隆寺公式HP・境内図より抜粋編集)


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法隆寺南大門

法隆寺へは近鉄橿原線で筒井駅まで乗り、そこからバスで向かいます。
(JR大和路線で法隆寺駅まで行くパターンもあり)
境内に入る際にまず目にするのが南大門(いわば総門に当たりますが)、のっけから国宝です。
一度焼失したのを、室町時代の永享10年に再建されたものです。
その南大門から正面に中門が見えますね。


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法隆寺西院伽藍

南大門をくぐると参道の正面に五重塔、中門、金堂が並んでいるように見えます。
我々が法隆寺と呼ぶのはこの西院伽藍と呼ばれるもので、中門を中心に回廊で囲まれその中に五重塔や金堂が左右に並んでいるというもの。
通常なら中に入るのにバカ高い拝観料(1000円)を払わねばなりませんが、生憎コロナの影響で拝観中止となっていて外から眺めるのみ。
まあ、当初から入るつもりはなかったんですがw


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法隆寺東院伽藍(夢殿)

実は法隆寺、境内の広さが18万7千平方メートルと広く、大きく分けて先程の西院伽藍とこちらの東院伽藍に分かれています。
東院伽藍の代表が夢殿で、天平11年に建立された八角円堂、聖徳太子を表した救世観音像が安置されているそうです。



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西円堂

西院伽藍の西側の丘の上にこれまた八角円堂の西円堂が建っています。
東の夢殿に対して西の西円堂、これも国宝指定です。
薬師如来像が安置されているそうです。


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西円堂からの眺め

西円堂の丘頂上からの眺望がいいですね。
金堂と五重塔が間近に見られます。


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法隆寺西里

境内の散策はこれぐらいにして、周辺の街並みをぶらりと歩いていきましょう。
法隆寺の西側、両側に土塀が続く通りが伸びています。
「西里」と呼ばれる集落です。


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法隆寺西里

微妙にカーブしているのが却っていいですね。


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法隆寺西里

この「西里」、もともとは法隆寺の作事に携わっていた大工集団が住んでいた集落でした。
法隆寺だけでなく周辺の家屋も手掛け、この地で生まれた中井正清は伏見城や江戸城の修理にも携わったほどでした。


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法隆寺西里

世界遺産に隣接しているにも拘らず、観光客がほとんど脚を運ぶことがなく、閑静な佇まいを残しているのは好感が持てます。
現代風に開発されておらず、ありのままの景観を残し続けているのは、法隆寺という存在によるところが大きいのかも知れません。


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法隆寺東里

「西里」があるぐらいだから、当然「東里」というのもあります。
こちらは文字通り法隆寺の東側の集落で、こちらも静かな佇まい。


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法隆寺東里

こちらは重厚な町家や土蔵が建ち並ぶ古い街並みを残しています。
西里が大工たちの集落に対し、こちらは商家たちの集落といったところでしょうか。


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法隆寺東里

門前町というと観光客相手の飲食店やら土産店やらが建ち並ぶ光景が目に浮かびますが、こと法隆寺周辺はそういった要素はまれですね。
古代のイメージどころか、江戸時代の風景といった感じで、時代劇の舞台にもなりそうな風景です。


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法隆寺東里

五重塔が見える通り。
ここの住人たちは普段から見られるので羨ましい。


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法隆寺東里

さらに奥に行くと、のどかな田畑が広がる農村風景。
法隆寺の周辺ってこんな感じだったのかと驚いてしまいます。
そこから五重塔が遠く向こうに顔を出しています。

”柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺”とは正岡子規の句。
柿が実る秋の季節に訪れるとまた違った趣でしょう。


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(訪問 202005)